2010年5月7日金曜日

映画『Play Time』







1967年フランス
監督/脚本/出演:ジャック・タチ

■ジャック・タチ(Jacques Tati、1907年10月9日-1982年11月5日)
フランスの映画監督・俳優。本名はジャック・タチシェフ(Jacques Tatischeff)。パリ郊外のル・ベック生まれ。父はロシア人、母はオランダ人。
若い頃からパントマイムの道を志し、得意だったスポーツをネタにした芸でならす。1933年からミュージックホールの舞台に立ち、シドニー=ガブリエル・コレットから激賞を受けるなど人気を博した。1932年から映画の仕事も始めたが、最初に話題になったのは、ルネ・クレマンが監督し、タチは脚本と主演を担当した『左側に気をつけろ』Soigne ton gauche(1936年)という短編映画。ここでもお得意のボクシングの芸を披露している。クロード・オータン=ララの『乙女の星』Sylvie et le fantôme(1945年)と『肉体の悪魔』Le Diable au corps(1947年)に出演した後、1947年に短編映画『郵便配達の学校』 L'École des facteursを初監督する(脚本・主演も)。ここで登場した郵便配達人フランソワは次の作品に生かされることになる。


■Play Time
長編第4作は、大作『プレイタイム』Playtime(1967 年)。タチは私財をなげうって、ほぼ10年がかりで、この超大作を作り上げた。近未来のパリということで、高層ビルが林立する一つの都市をつくりあげてしまった。この作品では、ほとんどプロットというのが無く、ユロ氏と一団のアメリカ人観光客がこの街を彷徨う中、その中からフランスの古き良き伝統を発見するというコメディ映画である。当時フランス映画史上最大の製作費をかけ、しかも高画質にするため70mm磁気6チャンネルのフォーマットを使って壮大な世界を作り上げた。『プレイタイム』のオリジナルは155分の長尺であったが、彼自身の手で126分まで短縮され、しかも経理上の問題から、次々と短縮され、米国での公開ヴァージョンでは93分モノラルまでカットされ公開された。公開当時は一部の批評家には絶賛されたが、多くのマスコミから酷評を受け、興行的にも惨敗であり、その失敗は一生彼にまとわりついた。その後2002年になってようやく、カンヌ国際映画祭の歿後20周年記念上映で126分70mmヴァージョンが復元された。

『プレイタイム』製作中に資金難に陥り、製作が一時止まったとき、短編『ぼくの伯父さんの授業』Cours du soir(1967年)が撮られる。これは、ユロ氏が彼のコメディを出来の悪そうなコメディアンに伝授するという内容であった。この中には郵便配達人フランソワの姿も見られ懐かしい。

タチは彼の作品の登場人物一人一人の動きをまるでバレーの振付師のように実演して見せたという(女性だったら女装してまで!)。画面構成も俳優の動きまであくまで完全主義であったのである。


■感想
映画の音づくりが凄いという紹介で、この映画を見た。
そしたら、この映画は、本当に凄かった。
音響が面白い。
特に、このシーンが忘れられない。


あそこにいる。ここにいる。

探している人と探されている人がすれ違うのだが、
電話をしに個室に入ったり、アナウンスが邪魔したりして
音によって、観客の視点を誘導している。

鏡越しのシーンでも、
外の音が聴こえたら、ガラスがあって、見ている人は外にいるんだなとか
色んな発見があった。



すばらしい映画。






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