2010年5月17日月曜日

映画『ベジャール、バレエ、リュミエール』



製作: 2002年 スイス
監督: マルセル・シューバッハ


革新的な創作バレエで人気を誇るモーリス・ベジャール・バレエ団の舞台「リュミエール」の舞台裏に迫ったドキュメンタリー映画。




解説
20 世紀後半、バレエに新しい光を注ぎ、その革新的な創作の数々でセンセーションを巻き起こした天才振付家モーリス・ベジャール。日本でも、映画『愛と哀しみのボレロ』(81)でジョルジュ・ドンの踊る名作「ボレロ」が大きな話題を呼んだこともあり、バレエ・ファンならずとも彼の名を知る人は多いだろう。『ベジャール、バレエ、リュミエール』は、舞台「リュミエール」公演初日までの半年間を追い、華麗な舞台の裏側にあるベジャールとダンサーたちのバレエへの愛と創造の喜び、そして苦悩を描きだす感動のドキュメンタリー作品である。バレエ、音楽、映画という3つの芸術的要素が織り成す舞台「リュミエール」。その舞台裏は、人生のすべてをバレエに注いだ、ベジャールの溢れる情熱、生き様そして、それをうけるジル・ロマンほかダンサーたちのバレエを生み出す苦しみ、それらが集まり大きな創造のエネルギーとなって華麗な舞台を作りあげていく。監督は、スイス出身のマルセル・シューバッハ。人物を中心にテレビドキュメンタリーの分野で活躍する彼は、最小限のスタッフで60時間以上のカメラを回しながらベジャールに接近。シューバッハ監督は、「リュミエール」の舞台裏を中心に77歳・天才振付家ベジャールの内面と創造の秘密に鋭く迫り、舞台上に新たなバレエが生まれる瞬間をみずみずしく捉え、ひたむきに努力し、何かに無償の愛を捧げることの美しさを丁寧に描き出していく。

舞台「リュミエール」は、“リュミエール=光”をコンセプトに、映画、そしてバッハ、バルバラやジャック・ブレルのシャンソンなどを重層的に織り交ぜ構成していく、ベジャールならではの壮大なバレエだ。2001年6月に、リヨンのフルヴィエール・ローマ円形劇場で1万5千人の観衆を前に初演された。本作では、2001年2月から初演に至るまでを撮影期間に費やしているが、ここで大きな見どころのひとつになっているのは、普段は決して見ることのできないバレエ団の舞台裏。創造の迷宮に舞い込みながら、スタジオでジル・ロマンをはじめダンサーたちによどみなく振りを付けるベジャール。その指導に熱心に耳を傾け、マジックのように彼の意図を肉体化していくダンサーたち。また、スタジオや舞台の袖で見せるダンサーたちの真剣な表情もカメラはとらえる。本番が近づく中、二転三転する衣装合わせ、悪天候のせいでたびたび中断される屋外リハーサル、楽屋でひとり静かに苦悩するベジャールの顔。新しい舞台を生み出すアーティストたちのストイックかつ情熱的な姿がそこにはある。

クラシックの楽曲にとどまらず、これまでも民族音楽からクィーンなどのロックまで、幅広い音楽を作品に使用してきたベジャール。そして、「リュミエール」の音楽に彼が選んだのは、バッハと、ベジャールの友人でもある今は亡き2人の偉大なシャンソン歌手、バルバラとジャック・ブレルだった。ベジャールは、彼らの紡ぐ繊細な言葉にインスパイアされ、“光”のバレエを見い出していく。2人の歌声にのってダンサーたちが軽やかに舞う姿は、シンプルな愛の一幕を見るような幸福感をもたらす。バッハの音楽が醸す抽象的で崇高な光と、バルバラとブレルが歌いあげる日常の光。異質の光が融合する奇跡の瞬間を、映画は巧みにすくい取っている。




この映画は、ベジャールの振り付け、舞台製作の過程を記録したドキュメンタリー映画だった。
一番すごいと思ったのが、
ベジャールのダンスを創造する過程。
ベジャールは自身は創造者ではなく、ダンサーたちが羽ばたくのを助ける存在だという。
ダンサーたち自身を見てから、テーマ、音楽と共にそのダンスの振り付けを即興的に考えていく。
その振り付けは最後まで変化していく。
だから、ベジャールは自身の振り付けをドキュメンタリーだという。


ものを作るときに、つくりながら仕上げていくという方法論がおもしろい。





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