2010年6月3日木曜日

映画『OCEANS』




2009年 フランス
監督 ジャック・ペラン/ジャック・クルーゾ


OCEANSは、いわゆる生き物のドキュメント映画かと思ったが
それは、世界中の生き物たちが、まるでディズニーのキャラクターのように
濃い個性がでている。

生き物たちの生き様に、愛着を感じ
自分たちと同じように生きているもの
海の生き物の社会が形成されているかのように感じた。

そして、この映画では
海の音、生き物の音が序盤から使われ
後に、アナウンス。それから、音楽が使われていた。

特に、海底で、かにが歩く時の音がとても心地よかった。
しかし、魚が泡を出す音や、カニとシャコの格闘のシーンなど
色んな場面の節々で
これは、誇張するための合成かなと思わせる音があった。
水中の生き物の音はどのようにして、録音するのか。
やはり、波でつくっているのか。疑問になった。


そんなことを考えながら、映画は、ダイナミックなイワシの大群や
クジラを映し出す。
動物たちの制限のない自由さが描き出される。
すると、終盤でこの映画の主題が表れる。

それは、環境問題。
人間の惨い行いが次々と描き出される。
犠牲になる動物のシーンは、人為的に処理してあるとのことで、
CGなのか。
少しCGぽかった気がする。
それにしても心が痛んだ。

初めからの9/10くらいまでは、豊かな海を描き
観客に海の生き物への同情を促し
最後の1/10くらいで、残酷な現実と生き物の豊かさを交互に描き出す。


没入してから、ガンガン心が振り回される感じがあった。


そして、ふと、ある話を思い出した。

水中カメラマンの中村征夫さんの話だ。
海でのきれいな写真。
クジラの写真が目に浮かぶだろうか。
中村征夫さんは、海でクジラとかそういった生き物の写真をとっている。
そのような写真を撮れることはすごいなとは思っていたが
彼が、まさかクジラの写真をとるときに
足の骨を折る大けがをしていたとは。
いまでもかがむのが難しいという。

こんな写真よく撮れたね!!
と、すごい写真を見ると思うのだが
その一瞬をとるために、本当に体を張っている場合があること。
これは本当に恐ろしいと思う。
自然の中で動物の写真を撮るとき、安全保証はないということだ。

中村さんはこのとき、親子のクジラの撮影をしようとしていたが
中村さんに同行していたスタッフが母クジラの神経に触ったようで
尾びれでたたかれるのを助けようとして自身も負傷したという。
本当に恐ろしい世界だ。


しかし、彼は、そんなことのない、人間に気を使う別の優しい母クジラの話もしていたけれど。


というわけで、この映画も沢山の命がかけられてつくられたのではないかと思う。
本当にすごいことだ。
このように、命をかけて撮影に行くカメラマンの方を本当に尊敬するし
またその方の家族の心配を思ふ。





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