2009年10月13日火曜日

映画監督『ジェームズ・キャメロン』

ジェームズ・フランシス・キャメロン(James Francis Cameron, 1954年8月16日 - )
カナダ出身の映画監督、脚本家、映画プロデューサーである。左利き。身長188cm。


生い立ち
カナダのオンタリオ州カプスカシング生まれ。父は電気技師、母はアマチュア画家[1]。幼い頃から母に芸術面を応援され、美術には才能を見せていた。15歳の時に、『2001年宇宙の旅』を見て、自作の宇宙船やプラモデルを使い、16ミリカメラなどで実験映画を撮り始める(『2001年宇宙の旅』は映画館で10回も見たという)。カリフォルニア州オレンジ・カウンティに移り、カリフォルニア州立大学フラトン校に入学。当初は海洋生物学と物理学を専攻していたが、トップになるには数学の能力に欠けていることを知り、英文学に変更する。

大学中退後
2年後、大学を中退し、惚れ込んだ地元のカフェのウェイトレスと結婚、小さな家に移り住む。トラック運転手などをしていたが[2]、1977年に封切られた『スター・ウォーズ』を見て仕事を辞め、再び映画制作に没頭する。そして友人と共に1978年、35ミリの短編SF『Xenogenesis』を制作する。この短編がきっかけとなりロジャー・コーマンのニュー・ワールド・ピクチャーズに入る。

監督デビュー
いくつかの作品を手伝ったのち、『殺人魚フライングキラー』を監督するが、周囲の無理解と低予算に苦しめられ、作品も不本意なかたちで上映されてしまう。しかし、失意のどん底で作り上げた低予算のSFアクション映画『ターミネーター』が世界中で好ヒットを記録。世界の映画ファンにその存在を知られることになる。その後、『ターミネーター』のヒットを受けて制作を依頼された『エイリアン2』が、また大成功を収め、全世界で1億8000万ドルの興行収入をあげる。途中、深海を舞台にしたSF映画『アビス』で不振に悩まされるも、1991年、自身が監督した映画『ターミネーター』の続編『ターミネーター2』が大ヒットして、全世界で5億6000万ドルの興行収入をあげる。
さらに1997年、アカデミー賞11部門を受賞し、自身もアカデミー監督賞を受賞した『タイタニック』が世界映画史に残る大ヒットを記録。2009年には12年振りの劇場用監督作品となる3D映画『アバター』でその興業収益記録を自ら更新する事になった。全世界の歴代興行収入、そしてアメリカ国内の歴代興行収入は1位が『アバター』、2位が『タイタニック』となり、同じ監督による1位2位という偉業を成し遂げた。
2010年にイギリスの『ガーディアン』誌が選ぶ「ハリウッドで最も影響力のある人物」で第1位となる。また、2010年内に2億5700万ドル稼いだとされ、同年最も稼いだ映画関係者ランキングで第1位となった。
1990年代前半に、制作会社ライトストーム・エンターテインメントとSFX会社デジタル・ドメインを設立。

私生活
プロデューサーのゲイル・アン・ハードと1985年に結婚、1989年に離婚。直後にキャスリン・ビグローと1989年に結婚、1991年に離婚。リンダ・ハミルトンと1997年に結婚、1999年に離婚。スージー・エイミスと2000年6月に結婚。

特徴
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概要
基本的にはスケールの大きな映画を構想し、大ヒットに導く実力を持ったアクション映画畑の監督であるが、その演出はところどころで映画的なエロスを湛え、また、いずれの作品も母性の賞揚をストーリーの原動力にしている節も見受けられる。自分の撮影した作品に関して完璧主義として知られ、前述の不本意な作品である『殺人魚フライングキラー』については、インタビューで話題に出すのもNGと言われるほどに嫌っているという説があるが、自身のドキュメンタリー番組や評伝の中ではごく詳細に語っている。

リアリズムの追求
特筆すべき彼の特徴として徹底してリアリズムを追求する点が挙げられる。『タイタニック』では、巨大な船のセットを岸壁から見て右になるように作ったが、史実では岸壁から見て左であり、その点を解消するためにセットの文字を全て反転させ、最後に映像を反転させて史実に倣うよう編集した。

ミリタリーマニア
SF、潜水などと同様作品に反映されているキャメロンの趣向の一つに「ミリタリーマニア」がある。『ターミネーター』では銃砲店での店主とのやりとりや改造の仕方などを緻密に描写し、脚本を担当した『ランボー/怒りの脱出』の銃器描写もマニアをうならせた。映画撮影にも精通したキャメロンらしく『エイリアン2』では海兵隊の装備として当時実在した銃器をモデルにパルスライフルを考案したり、ステディカムの振動吸収器にM56A2スマートガン(射撃者が見た物を装着したアイウェアで識別し、照準を微調整する)を搭載した射撃システムを登場させている。

脚本家
映画作品では基本的に脚本も自ら手掛けており、「後の監督としての苦労を考慮すると創作の幅を狭める事になるため、その部分を押し殺して自由奔放にストーリーに没頭する」と語っている。また画力にも優れており、『ターミネーター』のエンドスケルトン(内骨格)や殺人ロボットHK、『エイリアン2』のエイリアンクイーンやパワーローダーなどのコンセプトデザインを自ら手掛けた他、『タイタニック』に登場する主人公ジャックのスケッチもキャメロンの筆による物である。

環境問題
環境問題に熱心に取り組んでおり、世界15か国にそれぞれ100万本の木を植えることを企画している。2010年4月、ブラジルのアマゾンに計画中のベロモンテ水力発電ダムの建設反対運動に参加した。2010年6月には米連邦当局からの依頼を受け、4月20日に起きたメキシコ湾原油流出事故を解決するための会議に出席した。
その他
近年は考古学に強い関心を示しており、いくつかの非常に奇抜な学説を提唱している。


作品

映画
年 作品名 クレジット 備考


  • 1978 Xenogenesis 監督、脚本、製作 短編映画
  • 1982 殺人魚フライングキラー Piranha II: The Spawning 監督 『ピラニア』の続編
  • 1984 ターミネーター The Terminator 監督、脚本 
  • 1985 ランボー/怒りの脱出 Rambo: First Blood Part II 脚本 ジョージ・P・コスマトス監督作品
  • 1986 エイリアン2 Aliens 監督、脚本 『エイリアン』の続編 ディレクターズカットあり
  • 1989 アビス The Abyss 監督、脚本 ディレクターズカットあり
  • 1991 ハートブルー Point Break 製作総指揮 キャスリン・ビグロー監督作品
  • 1991 ターミネーター2 Terminator 2: Judgment Day 監督、脚本、製作 『ターミネーター』の続編 ディレクターズカットあり
  • 1994 トゥルーライズ True Lies 監督、脚本、製作 
  • 1995 ストレンジ・デイズ/1999年12月31日 Strange Days 脚本、原案、製作 キャスリン・ビグロー監督作品
  • 1997 タイタニック Titanic 監督、脚本、製作、編集 
  • 2002 ソラリス Solaris 製作 スティーブン・ソダーバーグ監督作品
  • 2003 ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密 Ghosts of the Abyss 監督、脚本、出演 ドキュメンタリー映画
  • 2003 海底火山の謎 Volcanoes of the Deep Sea 製作総指揮 ドキュメンタリー映画 スティーヴン・ロウ監督作品
  • 2003 ターミネーター3 Terminator 3: Rise of the Machines キャラクター創造 ジョナサン・モストウ監督作品『ターミネーター2』の続編
  • 2005 エイリアンズ・オブ・ザ・ディープ
  • Aliens of the Deep 監督、製作、撮影、出演 ドキュメンタリー映画
  • 2009 ターミネーター4 Terminator Salvation キャラクター創造 マックG監督作品 『ターミネーター3』の続編
  • 2009 アバター Avatar 監督、脚本、製作、編集 ディレクターズカットあり
  • 2011 サンクタム Sanctum 製作 アリスター・グリアソン監督作品



テレビドラマ
放送年 作品名 クレジット 備考
2000-2002 ダーク・エンジェル
Dark Angel 企画、脚本、製作総指揮

企画中の作品
原爆をテーマにした作品
2010年現在、原爆をテーマにした作品について考えている。この作品のために2009年のクリマスマス前に来日し、長崎市の病院に入院する山口彊に面会した。山口は広島と長崎で被爆した「二重被爆者」であり、キャメロンは今しか対談する機会が無いと面会を望んだという。キャメロンは山口のような体験をした人を後世に伝えるべく、山口に原爆をテーマにした映画について語ったとのこと。 後の毎日新聞による取材で、山口は "この映画を作るのは彼らの使命だ" と期待していることを語った。
この映画のタイトルは未定だが、仮題として『Jigoku』というのが発表されている。しかし、この作品について、チャールズ・ペレグリーノによる原作の中に、関係者からの証言が虚偽だったことによる誤りが多数見つかったことや、手記を盗用していたこと、広島への原爆投下を扱った漫画・『はだしのゲン』からの引用があったにもかかわらず、作者の中沢啓治に連絡を入れていなかったことなどが判明し、構想が揺れている状態である。

『アバター』の続編
キャメロンは『アバター』公開直後より「ヒットすれば、続編は絶対に作る」、「3作目までのアウトラインは考えている」と語っており、また、同映画の編集技師が「配給会社も続編を制作させようとプレッシャーをかけている」と述べた。2010年10月27日、20世紀フォックスにより製作が正式に決定したことが発表された。監督、脚本、製作は引き続いてキャメロンが務め、第2作目が2014年、第3作目はその1年後の2015年のクリスマスに公開される予定である。2011年1月時点でキャメロンは続編2作分の脚本を執筆中であり、同年内の撮影開始を目指している。
Battle Ange
木城ゆきとのSF漫画『銃夢』を原作とした実写映画 Battle Angel を製作する予定である。当初キャメロンは、『アバター』の続編で多忙となるために他の監督に依頼することも検討したが、原作の世界観を気に入った彼はこの企画は誰にも委ねられないと考え、2011年2月、自ら監督することを宣言した。原作全9巻のうち、第4巻までがストーリーの中心となる予定である。
『ミクロの決死圏』のリメイク
キャメロンのライトストーム・エンターテインメントが製作するリメイク版『ミクロの決死圏』には製作総指揮として参加する。当初監督はローランド・エメリッヒに決まったが降板し、その後ポール・グリーングラス、ダーレン・アロノフスキー、ティムール・ベクマンベトフ、ジョナサン・モストウ、ルイ・ルテリエらが候補に挙がったがいずれも諸事情により起用できず、最終的にショーン・レヴィに決定した。同作品では『アバター』の製作総指揮を務めたレータ・カログリディスが脚本をリライトする予定である。

『トゥルーライズ』のテレビドラマ
キャメロンが1994年に監督、脚本した映画『トゥルーライズ』のテレビドラマ版をライトストームエンターテイメントと20世紀フォックステレビジョンが共同で制作する予定である。キャメロンが製作総指揮を務め、パイロットの原案はレネ・エシェヴァリアが担当する。

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