2010年4月1日木曜日
展示『William Kentridge』
ずいぶん前に、展示会『William Kentridge』に行ってきた。
Kentridgeは南アフリカ出身のアーティストで
木炭を使って絵を描き、撮影し、
その絵を少し消して、また描きたして、撮影するという手法で
映像をつくっている。
その作品ひとつひとつがもっているボリューム感はすごかった。
木炭で描かれているから、厚みがあるように感じられる。
彼独自の絵のタッチがある。
パステルによって、木炭画の上から色んな線がひかれたりするのも
遊び心があるようで面白い。
展示会の会場はというと大変混雑していた。
作品の数も多くて、全て見るのは、かなりの体力が必要だったように思う。
映像って情報量が多いから、8分~12分の映像を8つとか10とか見るのは結構大変なこと。
映画館のようにイスがあるわけでなく
立ち見で、しかも混雑だと、展示をゆっくりと見る訳にはいかない。
ただ、これは、今回のWilliam Kentridgeの作品がとても人気があることを表していると思う。
なぜなら、彼の作品はすごいカリスマ性があるから。
特に私がビックリしたのが、
色んなタイプの白黒の映像を取り入れていること。
木炭による絵、影絵、実写の白黒がひとつの映像に入り交じっている。
でも、それで成り立っている。
なぜ??
それは、ひとつには、そのひとつひとつのタイプの映像が面白いことがあると思う。
あとは、白黒という視覚情報の限定。
さらに、ストーリー。
最後のストーリーに関しては、彼が何を言いたいのか、漠然としているものもあるが
様々な作品に、社会風刺がされていたようにも思う。
それは、もちろんkentridgeの視点を通したものであったと思うが。
特にアパルトヘイトに対しての観点、戦争などについて
彼なりに考えていることがあって、それが作品の中心の周りにボヤっとかかっている感じがした。
悲痛な現実を見て、それを客観的に捉える別次元の機械的キャラクターがいて、
そいつは、一見してかわいいようにも見えるが、すごく毒舌な
いや、むしろ、機械的に現実を観客に見せていた存在だったのかも。
楽しい音楽の所ほど、そのギャップがまたすごく印象深かった。
そして、彼は、視覚効果に対しても深く考察していたようだった。
立体視とかの展示があって。
ちょっとづつづれた2枚の写真を両目でみるもの。面白かった。
音に関しては、ピアノとバイオリンを中心とした、重厚な不思議系オーケストラが主に使われていた。
しかし、ある作品では、公園とかで聴きそうな陽気な音楽、効果音によるリズム、オーケストラの不思議系の曲、、、などが入り交じっていた。
それはとてもテンポがよくて、私は気に入った。
今回の展示に関して、ひとつ言うなら
もう少し、展示方法を変えても良かったのでは?
と思った。
大きなプロジェクション、画面は、見るときにある程度距離が必要だ。
床から天井ほどまでありそうな大きな映像が1つの部屋に8つとかあると
目の中に入りきらない。
実際、会場では、みんなが真ん中に押し寄せられていたように思う。
もう少し画面を小さくしても良かったのではないか。。。
と偉そうなことをいってしまったが
見切れないくらいのボリュームがあった展示には満足しているし
見れなかったからこそ、KentridgeのDVDが欲しいと思った!!
しかし、まさかの売り切れ。
でも、museum shopのお姉さんによると
売り切れのは日本語字幕なしのモノらしく、
今度、日本語字幕ありのDVDが発売されるという。
ちょっと、良い情報☆
販売はこちら↓からだそうです。Kentridge fan の方は是非☆
トモ.スズキ.ジャパン
http://www.tomosuzuki.com/
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