2010年4月5日月曜日

展示『セバスチャン・サルガド アフリカ展』

昨年、写真美術館の 「セバスチャン・サルガド アフリカ」展に行ってきました。

1時間の待ち時間の中、ちゃんと見れないかと心配もしましたが、ゆっくり見ることができました。

このセバスチャン・サルガドという人は、カメラマンになろうとしてなったのではなく、
勤めたコーヒーの会社で、アフリカへの転勤になり、
それがきっかけで、写真を撮るようになったということでした。

30年間も撮り続けた写真が、展示されており
十分な内容の厚みを感じました。

自然のきれいな風景や動物たちから、
最後には、難民のポートレートまで。

全ての写真が白黒で写されており、
1985年の写真や2005年の写真が、
年代順ではなくバラバラに飾られていましたが、
昔の写真も最近の写真も質感がほとんど変わらず、
そこに、フィルム?の写真のすごさを感じました。


特に心に残った写真は、いくつかありますが、
難民キャンプを遠巻きにとったももので、
背景に森が控えている写真です。


光が濁りながらも淡くすーっとさしていて、
うっすらと、背景に濛々とジャングルが表れている
その様子が神秘的で、
とてもニュースで聞くような内線の厳しさとは違った
もっと心の中に、
例えようもない厳しさに囲まれてしまった
逃げ場のない状況
その混沌とした様子が湧いてきました。


悲しい風景をきれいに描いているそのギャップが苦しいというか。


写真のセンスもさることながら、
今回の写真には、もっと強い人間のメッセージが残されているように思いました。


白黒というのも、その皮膚の表情など際立たせるものがあったように思います。





アフリカという遠い場所でのことだから興味を持つ
ということだけじゃなくて、
本当にすごいメッセージ性の強い写真でした。



写真は語る



というような。

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