2011年2月19日土曜日

展示『ヴァレリオ・ベッルーティ』

見応え:★★★
所要時間:15~20分

作家:Valerio Berruti
1977年、ピエモンテ州アルバ生まれ。トリノ・D.A.M.S.で、美術評論を学ぶ。ヴェルドゥーノにある17 世紀に建てられた朽ち果てた教会を買い取り、修復してアトリエ兼自宅とし、1995年からそこでアーティストとして活動している。



この展示会は、作者の作品はもとより、空間を上手く使っていると感じた。

作品を活かす、展示の仕方だったと思う。

作品解説もとても分かり易く、作家のヴァレリオ・ベッルーティの作品は、
彫刻の像がもつ「イコン」をマルチに使うことによって、
新しい表現を創りだしている。
<<erimoto>> 2010年

また、それによって顔を匿名化し、
色んなものに置き換えてみることが出来るように
創造の余地を残している。
という内容だったと思う。

作品は、どれも子どもへの温かい眼差しが感じられ、
麻のキャンバスに、一筆書きのようにスッっとひかれた線が
子どもを描いている。

中でも、コンクリートで作られた子どもの像がタイルのように並んでいた作品は、
色合いが絶妙で、目を引く作品だった。

イタリア語ですが、素敵なアトリエでの インタビュー↓↓↓↓↓

2011年2月18日金曜日

展示『スパイク・ジョーンズ』:「THERE ARE MANY OF US - I’M HERE」展

「THERE ARE MANY OF US - I’M HERE」展

見応え:★★★★★
所要時間:60分

Spike Jonze








 
スパイク・ジョーンズといえば、
以前見た映画『Human Nature』にも制作で関わっていた。

今回の展示は、ショートムービーの 展示としては、とても良かった。

会場となる空間は、展示スペースとシアターの2つに分けられ、
初めの展示スペースには、映画の原画や映画中のあるシーンの写真、映画で使われていた人形の展示となっていた。



真ん中には、今回の主役となった、2体のロボットの人形が置いてあり、
壁には、映画中で登場するネズミの置物があった。

作品を見る前は、あまりこの存在に気づかなかったが、終わってみると、実際使われていた現物が置いてあることで、ロボットが生々しく感じる程であった。


ショートムービースペースでは、本編と舞台裏の映像が流れている。
本編自体は短いが、舞台裏は各スタッフにフューチャーしていて、
かなり時間も掛けている。
全ての映像を見ると、1時間弱くらいだったかと思う。
イスがないことと、所要時間と、映像の構成についてのキャプションが全くなかったので、
予想外の長さに、地面に座り込む人も出ていた。



しかし、映画の本編とその舞台裏は、期待以上の面白さであり、
ロボットの製作過程と、その中に入った役者さんの話を聴くと、
内容の面白さは倍増した。

それにしても、ロボットはとても痛かったらしい。

が、ショートムービーという普通の映画より尺の短いものを展示すること。
また、映像を見に足を運んでもらうこと。
この2点を成功させることが出来たと思う。

DIESELという場所選びも良かったし、
映画を見に足を運ぶ人が減少する中、絵コンテだけでなく、映画中に使われた実物を飾るというのも成功の鍵だと思うし、これからの見せ方の一つのモデルになると思う。

2011年2月13日日曜日

展示『シュルレアリスム展』

見応え:★★★★★
質・量:★★★★★
所要時間:120分


ーーー
先日、シュールレアリズム展に行って来た。
量・質ともに、見応え十分な展示だった。

心に残った作品が多すぎて、全てをあげたくなってしまう。

あえていうなら、
この展示をきっかけに知ることになった
 ロベルト・マッタ氏の絵がとても良かった。
展示の最後に飾ってあった。

アルベルト・ジャコメッティ《テーブル》





あとは、もちろん、ジャコメッティの彫刻。

沢山の良い作品があって、書ききることができないが、行く価値のある展示会であるということは事実。


ーーー
1924年、当時28歳の詩人アンドレ・ブルトンは、パリで「シュルレアリスム宣言」を発表、20世紀最大の芸術運動の口火を切りました。
シュルレアリスムは、偶然性、夢、幻想、神話、共同性などを鍵に、人間の無意識の世界の探求をおこない、日常的な現実を超えた新しい美と真実を発見し、生 の変革を実現しようと試みるもので、瞬く間に世界中に広まりました。シュルレアリスムの影響は、たんに文学や絵画にとどまらず、広く文化全域に、そして広 告や映画などの表現を通じて21世紀に生きる私たちの生活の細部にも及んでいます。
シュルレアリスムの中核を担った詩人や芸術家の多くにとって終の住処となったパリの中心部に位置する国立ポンピドゥセンターは、この運動についてのもっと も広範で多様なコレクションによって知られています。膨大なコレクションの中から、絵画、彫刻、オブジェ、素描、写真、映画などの作品約170点に、書籍 や雑誌などの資料を加え、豊かな広がりを持ったこの運動の全貌をつぶさに紹介する展覧会が初めて実現しました。
20世紀の芸術の流れを変えたシュルレアリスムを体験する絶好の機会といえるでしょう。
(抜粋元:http://www.nact.jp/exhibition_special/2011/surrealisme/index.html)
ーーー